MSWの日々の相談業務の中で、多くのウェイトを占める退院支援の研修会です。「住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けること」を目標とした地域包括ケアが推進されている中で、ますます医療機関では、高度急性期、急性期、回復期、生活期といった病院機能分化が進み、地域では住まいの場が拡充しています。高齢者だけに限らず、身体や知的や精神障がい者も、住み慣れた地域での生活を目指しています。 この社会情勢の中で、高齢化による認知症高齢者の増加や、親族不在等による権利擁護の問題、また、経済問題等を解決しながら行うMSWの退院支援の役割は、更に必要性が増すことでしょう。MSWは介護保険制度だけではなく、障害者総合支援制度、日常生活自立支援事業や成年後見制度なども活用しながら、生活を支えていきます。複雑化した社会での問題解決には、高いアセスメント・調整能力が求められます。 2018年度からは、診療報酬上「退院支援加算」は「入退院支援加算」と名称が変更され、多職種協働による入退院支援が必須となっています。システムの構築にメゾ・マクロレベルで参画することはとても大切です。患者家族、そして所属機関のスタッフ、更には地域社会へつながり、貢献するという姿勢が不可欠です。 変化を受け入れながら柔軟に対応すること、また個別性と普遍性を両輪に、広い視野で、物事を捉え考えていくことは、たいへん重要です。さまざまなチームの一員として、多機関多職種と連携しながら、患者家族の支援をしていくためにも、医療ソーシャルワーカーの倫理綱領を大切にしながら、技術・知識等を学び深めていきましょう。 研修では、現場での実践的な内容の講義と、それを深めるためのグループワークを積極的に取り入れ、思いや迷いや悩みを共有し、参加者同士が互いにエンパワメントできるようにしています。初任者も中堅もベテランも、積極的なご参加をお待ちしています。